はっとりみなと歯科外観

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噛み合う歯が伸びてくる!?「挺出(ていしゅつ)」という現象をご存じですか?

「歯が1本抜けたくらい…放っておいても大丈夫?」

そう思っている方、実はとても多いです。

しかし、歯が1本抜けただけでも、周囲や噛み合う歯に大きな影響が出ることがあるのです。

今回ご紹介するのは、「挺出(ていしゅつ)」という現象。
歯を失ったままにすると起こりやすい、思わぬトラブルです。


挺出(ていしゅつ)って何?

「挺出」とは、噛み合う相手の歯がないことで、歯が伸びてきてしまう現象のこと。

たとえば、下の奥歯を抜けたままにしていると、上の奥歯がその空間に向かってじわじわと下がって(伸びて)くる、というような状態です。

歯は本来、上下でしっかり噛み合って安定しています。
ところが、そのバランスが崩れると、相手の歯を探すように動いてしまうのです。


挺出が引き起こす4つのトラブル

① 噛み合わせがずれる

噛み合う歯がなくなったことで、噛み合わせ全体のバランスが崩れてしまいます
その結果、顎の痛み、口の開けづらさ、頭痛などが起こることも。

② 歯の見た目が悪くなる

挺出によって、歯が異常に長く見えることがあります
とくに前歯で起こると、見た目に大きく影響します。

③ 将来の治療が難しくなる

挺出が進行すると、インプラントや入れ歯、ブリッジなどの治療が困難になることも。
伸びてきた歯が邪魔になり、噛み合わせの調整が難しくなります。

④ 歯がぐらついたり、折れやすくなる

歯が正常な位置を離れて挺出すると、周囲の歯ぐきや骨が弱くなり、歯が不安定になる可能性があります。


挺出を防ぐには?

挺出を防ぐためには、歯を失ったあとに、できるだけ早く補う治療を行うことが大切です。

治療法には以下のような選択肢があります:治療法特徴インプラント自然な噛み心地・見た目。長期的に安定しやすい。ブリッジ両隣の歯を使って固定する方法。比較的短期間で治療可能。部分入れ歯取り外し式で、隣の歯をあまり削らずに治療可能。

また、すでに挺出が起きている場合は、矯正や削合(歯を一部削る)、場合によっては抜歯が必要なケースもあります。


まとめ:1本の歯の抜けが、大きなトラブルの原因に

歯が1本抜けただけと思って放置していると、
「噛み合う歯が伸びてくる(挺出)」という思わぬトラブルが起きることがあります。

噛み合わせの乱れは、お口全体の健康だけでなく、全身の不調のきっかけになることも。

歯を失ったら放置せず、早めに歯科医院へご相談ください。
早めの対処が、将来の健康を守る第一歩になります!

服部 彰宏

執筆者

服部 彰宏

はっとりみなと歯科 院長

2024年名古屋市港区甚兵衛通に「はっとりみなと歯科」を開院しました。地域の皆様のお口と全身の健康を守るため、お悩みに寄り添い、痛みの少ない治療と安心して通える歯科医院を目指します。

経歴

愛知学院大学卒 / 岡崎市 シバタ歯科勤務 / 名古屋大学医学部附属病院勤務 / 静岡市 ひかり歯科医院 / 名古屋市徳倉歯科口腔外科・矯正歯科非常勤勤務 / メルサ飯田歯科非常勤勤務 / はっとりみなと歯科開業

所属

日本歯内療法学会

認定医・指導医

日本歯科医学復興機構 臨床歯科麻酔管理指導医 / 前歯でも噛める入れ歯研究会 認定医 / 日本ACLS協会 BLS