【普段、歯にはどれくらいの力がかかっているのか?】
~あなたの歯、実は驚くほどの圧力に耐えているんです~
「硬いものを食べるときだけ歯に力がかかる」――
そう思っていませんか?
実は、私たちの歯やあごには、日常的に想像以上の力がかかっています。
とくに、無意識の“くいしばり”や“歯ぎしり”がある人は要注意。
自分では気づかないうちに、歯や顎にダメージを与えているかもしれません。
今回は、「普段、歯にどれくらいの力がかかっているのか」について、わかりやすく解説します。
■ 歯にかかる“咬合力(こうごうりょく)”って?
咬合力とは、上下の歯がかみ合ったときに生じる力のことです。
一般的な数値としては:
- 通常の食事:およそ20〜40kg
- 奥歯でしっかり噛んだ時:最大60〜80kg
- 無意識の歯ぎしり:なんと100kg以上に達することも!
この力が毎日、しかも何度も繰り返し歯に加わっていると考えると、歯がダメージを受けやすくなるのも納得ですね。
■ “噛む力”は強ければ強いほどいいの?
一見、噛む力が強い方が健康的に思えますが、実は力の「かけすぎ」は歯にとって負担になります。
過剰な噛みしめや食いしばりは、以下のようなリスクを引き起こします:
- 歯が欠ける、割れる(特に詰め物や被せ物)
- 歯周病が悪化しやすくなる
- 顎関節症(あごの痛みや違和感)
- 頭痛、肩こりの原因になることも
特に寝ている間の歯ぎしりは、本人が気づきにくく、**歯にとって最大の“見えない敵”**です。
■ 歯や顎にやさしい生活のコツ
では、歯にかかる過剰な力から守るにはどうしたら良いのでしょうか?
日中の“くいしばり”をチェック!
- 集中しているときに無意識に歯をグッと噛んでいませんか?
- 口を閉じたときに「上下の歯が軽く離れている状態」が理想です。
睡眠時のナイトガード(マウスピース)活用
- 歯ぎしりやくいしばりが強い方には、専用のマウスピースをおすすめしています。
- 歯を守るだけでなく、あごの疲れや頭痛の軽減にも効果的です。
柔らかすぎるものばかり食べない
- かむ力を自然にコントロールするには、ある程度の「噛みごたえ」も必要です。
■ まとめ:歯の「耐久性」には限界があります
歯はとても強い組織ですが、人工物ではなく“生きた組織”です。
日々の噛む力、食いしばり、歯ぎしり…
知らず知らずのうちに、歯はその力に耐えて頑張ってくれています。
「虫歯じゃないのに歯がしみる」「歯が欠けた」「詰め物がすぐ取れる」
――そんなトラブルがある方は、実は“噛む力”が原因かもしれません。
気になる方は、お気軽にご相談ください。
歯を守るために、力のコントロールも大切な“予防歯科”の一部なんです。